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京都女子大学客員教授 津田純佳先生『探究活動』

京都女子大学客員教授 津田純佳先生『探究活動』

京都女子大学附属小学校に続き、10月から12月にかけて、京都女子大学客員教授でありアトリエリスタの津田純佳先生とのレッジョ・エミリアアプローチ、探究活動が始まりました。

2歳から5歳まで、すべてのクラスが素材と出会い、考え、自分の表現と向き合う時間を過ごしました。

 

 

 

 

年中組の子どもたちは、襖や壁紙に使われる『唐紙』という素材と出会いました。

「これは忍者の巻物?」「昔の人の手紙?」と想像を膨らませながら、自分たちの物語を紡いでいきました。

一枚の唐紙の中にどんどん物語が広がっていき、唐紙の上に重ねたビニールに、絵の具でさらに物語を描きすすめたり、唐紙に描いた物語とビニールに描いた物語が前後の世界になっていたり、各グループでの違いも見られました。

書画カメラを用いて唐紙に描いた世界に入っていくと、また新たな気づきや面白さを感じることも出来たようです。

 

 

 

年長組の子どもたちが出会ったのは、『土粘土』と『竹』。

「竹にはなぜ穴があいているの?」「空気を吸うため?」「赤ちゃんが入るため?」「水を吸収するんだ!」どんどん好奇心や想像力が広がります。

では、「竹の根っこはどうなっているんだろう?」

実際の畑で根っこを掘りおこしてみたり、自分の経験や友だちとの対話を通していく中で、様々な考えやイメージがどんどん生まれていきました。

最後には、「根っこの中に入ってみたい!」の声を受け、WEBカメラでその世界の中に入っていきました。WEBカメラを用いることで、また違った視点で見ることが出来たり、自分たちで作り上げた世界や物語を共有できることができ、子どもたちも嬉しそうでした。

 

 

 

年少組の子どもたちは『絹織物』という素材と出会い、虫眼鏡で見たりライトで照らしたり、マイクロスコープを使って、絹織物をじっくり探究しました。

「線がいっぱい!」「キラキラしてる。」と様々な発見があり、糸がほつれていくことやその糸も色々な色があることに気付いていました。

折ったり、丸めたり、ぐちゃっとしたり、包んだり・・・、それがクラゲに見えたり新幹線に見えたり、織物ひとつで様々な世界を見ることが出来ました。

最後には織物で大切なものを包んで、大切な誰かへのプレゼントづくり。くるんだり被せたりして、紐やリボンを巻き付け、くぐらせ、友だちと助け合いながら工夫を重ねていました。

 

 

 

満3歳児クラス、つぼみ組は古材の“端材”と光が出合うことで、子どもたちの想像力が輝いていきました。

ひとりずつ選んだ木片をOHP機器に乗せていき、大きく影が映し出されると、「お風呂みたい。」「ママが入ってきたよ。」「船に変身した!」と、どんどん白布の中の世界が広がっていきました。

床に映る形を追いかけたり、天井に手を伸ばしてみたり、影の不思議、面白さも感じていました。

 

今回の活動は、NPO和の学校様のご協力により、伝統産業の端材を“学びの素材”として活用することで実現しました。

子どもたちの学びを支えていただいたことに、心より感謝いたします。

 

 

最後に、作品展にあたって津田純佳先生からいただいたメッセージを掲載します。

 

 

子どもたちは日々、対話を楽しみ、考えることそのものに喜びを見いだしながら、学びを紡いでいます。自分の思いをことばや体で表し、友達の考えにも耳を傾け、そこからさらに新しい発想が生まれていきます。まさに、レッジョ・エミリア アプローチが大切にする「子どもは主体的で有能な学び手」そのものです。

心が動いたとき、子どもたちは “100のことば” で世界を探究します。今年度の作品展には、その豊かなプロセスが映し出されています。

 

 

年長の子どもたちは「竹」を題材に、目に見えない根の広がりや葉の動き、てっぺんの空への伸び方、そして種までも想像し、仲間との対話を通して土粘土で表現しました。ひとつの竹を共に作り出す過程には、思考の深まりと協働の力が息づいています。

 

年中の子どもたちは、唐紙が巻かれる様子から巻物を発想し、伝統文様に自分たちの物語を重ね、友達と語り合いながら制作を進めました。互いのアイデアが交差し、物語が膨らんでいくプロセスは、まさに「対話が学びを創り出す」瞬間です。

 

年少の子どもたちは絹織物と出会ったとき、“たたむ” “包む”という行為が自然に生まれ、さまざまな包み方を友達に教え合いながら誰かへの贈り物を形づくりました。素材から受け取ったインスピレーションが人に想いを届ける表現へと発展しています。

 

2歳クラスの子どもたちは、木片(古材)に光を通すと生まれる形を全身で感じ取り、「見える世界」と「見えないつながり」を試しながら考えていきました。素材と出会い、身体を通して探究するその姿は、まさに研究者です。

 

 

これらの作品は完成した“もの”だけを示すのではなく、子どもたちが仲間や先生と共に考え、驚き、試し、発見し続けた 学びのプロセスそのものの証 です。
子どもたちが大切にしてきた学びの時間と、そこに寄り添ってきた先生のまなざしの両方がこの場に息づいています。

どうぞ、作品の奥にある「子どもたちの思考の軌跡」に目を向けながら、ひとりひとりの歩みを感じ取っていただければ幸いです。

 

 

津田純佳
(アトリエリスタ/みりおらーれ代表)