京都女子大学 坂井武司先生『「パターン」を題材とした保育』
京都女子大学 坂井武司先生『「パターン」を題材とした保育』
6月27日(木)京都女子大学発達教育学部 坂井武司先生が来てくださいました。以下、坂井先生からメッセージをいただきました。
大学との連携活動の一環として、年長組さんの子どもたちと「パターンをかんじよう・つくろう・たのしもう」という保育を行いました。この保育は、①繰り返しパターンになる「まとまり」を意識して,図形のパターン作りを楽しむことや、
②リズム・動きなどの異なる表現を用いて,繰り返しパターンを表すことを楽しむことをねらいとしています。算数の基礎という意味では、「同じ・違う」という観点への着目、「1つのまとまり」への着目、「1対1の対応関係」への着目という数学的な見方に基づいた思考の育成にもつながります。
活動1:パターンクイズ①を楽しむ
パターンの意味を知ってもらうために、活動1として、「ぱたーんくいず①」をしました。同じパターンを見つけたり、パターンの続きを考えたりしました。グループで相談して回答を考えましたが、どのグループも全問正解!「もっと難しいのを出して」とやる気が出ていました。子どもたちは、パターンの中にある「まとまり」に着目することができていました。
活動2:グループで、○や△を用いて図形のパターンを作って楽しむ
活動2では、グループで相談しながら、○や△のカードをミニホワイトボードに貼って、お気に入りのパターンを作りました。お友達の並べた後の続きを並べたり、パターンになっているかを確かめて間違いに気付いたり、協力して色々なパターンを作ることができました。
活動3:パターンクイズ②を楽しむ
活動4:図形のパターンをリズムや動きのパターンに変えて楽しむ
活動3の「ぱたーんくいず②」は、○と△で作ったパターンと同じ並び方の別の形で作ったパターンを見つけるクイズです。ここでもまた、どのグループも正解!「○が☆になって、△が◇になっている」と対応に着目して理由を説明できる子どももいました。
そこで、活動4として、図形から図形ではなく、図形からリズムや動きにパターンを変えみることにしました。○は手打ち、△は休みというリズムや、○は頭、△は肩という動きにしてみました。
活動5:グループで作った図形のパターンをリズムや動きのパターンで表して楽しむ
活動6:各グループのおすすめのパターンを発表し、まねて楽しむ
活動5では、グループで相談しながら、○や△のパターンを置き換えたリズムや動きのパターンを考えました。自分のしたい動きとお友達のしたい動きとが違った時に、譲り合ったり、1つずつ採用したり、協力して完成させることができました。
活動6では、それぞれのグループの発表をみて、続きをまねしたり、みんなで試したり、頭と体を使って楽しみました。
活動7:本日の遊びについて楽しかったことを振り返る
たくさんの子どもから「リズムが楽しかった」という感想が聞かれました。パターンを体で感じ取ることができたのだと思います。園庭にある黄・赤・緑のイスもパターンで並んでいることを紹介しましたが、園庭での遊びの時間に、担任の先生が子どもたちと一緒に確認をしてくれていました。
パターンの認識はプログラミングの基礎にもつながっていきます。今後、身の回りにある色々なパターンに興味をもって遊びを工夫し、楽しんでいって欲しいと思います。
京都女子大学・発達教育学部 坂井 武司